寒い冬は、あったかい部屋で読書が最高!
読み聞かせをして子供と一緒にほっこり気分になりましょう。
今回は、冬にピッタリのおはなしをテーマ別に紹介します。
↓ちなみにクリスマスとお正月の本はこちらをご覧下さい↓
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外へ出よう!雪遊びの絵本
『ゆきのひ』
(エズラ・ジャック・キーツ作、木島始訳、偕成社)
雪景色なのにぬくもりを感じる、シンプルなのに技巧的、そんな貼り絵の画面に魅せられます。
雪落とし、雪に型どり、雪だるま……
主人公ピーターの、雪を心底楽しむ気持ちが伝わってきます。
赤基調のファッションもかわいい!ぷっくりした横顔もかわいい!!(笑)
同じシリーズ『ピーターのいす』は、兄妹愛を描いた名作です。こちらもオススメ。
『そりあそび』
(さとうわきこ作、福音館書店)
『よもぎだんご』等で子どもに人気の、ばばばあちゃんのシリーズ。
冷たい雪の日、森の動物たちは寒いと言って凍えています。
それを見てばばばあちゃんは、
「だらしない!」「特別なあったまりかたを教えてやるよ」と一喝。
それは「そりあそび」。でも、肝心のそりはどこ?
不思議がる動物たちの前で、ばばばあちゃんはとんでもない行動に出ます……。
現実にはできない(笑)、豪快なお楽しみがなんとも気分がいい!最後のオチも羨ましいです!
『バムとケロのさむいあさ』
(島田ゆか作、文溪堂)
ページをめくるたびにワクワクする、『バムとケロ』シリーズ。
ある寒い朝。裏の池でスケートと釣りをしようと、道具を持って出かけたバムとケロちゃん。
そこで見つけたのは、なんと池と一緒に凍りついた「あひるのかいちゃん」!
二匹はかいちゃんを救出し、お風呂で氷を溶かします。
お風呂も、おやつも、遊びも、何をするにも楽しそうな三匹の姿がかわいいです!
『だるまちゃんとうさぎちゃん』
(加古里子作、福音館書店)
不朽の名作『だるまちゃん』シリーズより。
今回は「うさぎちゃん」と一緒に雪で遊ぶお話です。
うさぎちゃんのかわいさもさることながら、雪だるまから手袋人形まで、昔ながらの冬の遊びがたくさん!
詳しい遊び方も載っていて楽しめます、なんだか懐かしい加古里子の世界を味わいましょう。
ハートもほかほかあったか!冬にまつわる絵本
『ハリーのセーター』
(ジーン・ジオン作、マーガレット・ブロイ・グレアム絵、わたなべしげお訳、福音館書店)
『どろんこハリー』で有名な、黒いぶちのある白い犬ハリー。
お誕生日におばあちゃんから、バラ模様の犬用セーターをプレゼントされました。
しかし正直好みのデザインではなく、街を歩けばすれちがう人も犬もハリーのセーターを見て笑うしまつ。
ハリーは「こんなセーターいらない」と、あちこちで捨てようとしますが、
そのたびに誰かが親切にも追いかけてきて届けてくれます、ハリーはがっかり、しかし……。
本当に趣味の悪い(笑)セーターが、有効活用されて最高です!ラストシーンもすてき。
『しんせつなともだち』
(方軼羣(ふあん いーちゅん)作、村山知義絵、君島久子訳、福音館書店)
雪深い冬、子うさぎは食べ物を探しに外に出かけ、雪中から2つのかぶを見つけます。
子うさぎはそのうち1つを食べて、1つをろばの家に持って行きますが、ろばはあいにく留守。
帰ってきたろばは、黙って置いていかれたかぶを見つけます。ろばは考えたすえ、かぶをやぎに届けることに。
しかしやぎも留守。ろばはかぶを黙って置いて行き、それを見つけたやぎは……。
子どもが聞いていて安心する、定番の優しいリレーストーリーです。
最後にかぶが届けられた相手は想像の通り、本当に「親切な友達」っていいなあ!と思います。
『こんこんさまにさしあげそうろう』
(森はな作、梶山俊夫絵、PHP研究所)
雪が降り積もった冬の山の中。
穴で寒さと飢えにふるえる子ギツネのために、母ギツネは食べ物をさがしに出かけました。
しかし食べ物は何もなく、家畜を襲うこともできません。
途方にくれる母ギツネの耳に、お稲荷さんの森から祭りばやしの音が……。
山の動物たちが村で悪さをしないよう、大寒の夜に食べ物をお供えする「のせぎょう」という行事がテーマ。
森と共存するための、昔の人の知恵と思いやりが身にしみます。
食べ物にありつけたキツネの親子の姿に、心が温まること間違いなし。大寒の近い1月半ばごろに是非!
みんなで読みたい!冬の名作絵本
『はたらきもののじょせつしゃ けいてぃー』
(バージニア・リー・バートン作、石井桃子訳、福音館書店)
『ちいさいおうち』『せいめいのれきし』等で有名なバートンの絵本。
訳の石井桃子も、『くまのプーさん』『うさこちゃん(=ミッフィー)』『ピーターラビット』等でおなじみです。
学校も店も、みんな休みになってしまうくらいの大雪。
病院や消防署、電話局などの緊急施設も稼動できずに大弱りでした。
しかしトラクターのケイティーが大活躍、助かったと町の人々は歓喜します!
ちょっと長めですが、とにかく力強い、活気あふれる作品です。町で除雪車を見るたび、思い出しますね。
『てぶくろ』
(ウクライナ民話、エウゲーニー・M・ラチョフ絵、内田莉莎子訳、福音館書店)
子どもの頃に誰もが読んだと思われる傑作絵本、訳は『おおきなかぶ』と同じ内田女史です。
おじいさんが雪の上に落とした、あたたかい手袋。
そこに次々と動物たちがやってきて、手袋を住まいにします。
「中にいるのは誰?」「○○です、あなたは?」「××です、入れて?」「どうぞ」
この繰り返しが落ち着く、昔話の典例です。
ねずみから始まってやってくる動物がだんだん大きなものになるので、なんだかドキドキします。
大人にとっては異次元空間なこの手袋、素直に楽しめる子どもたちが羨ましい!
『かさじぞう』
(せたていじ再話、赤羽末吉絵、福音館書店)
日本昔話の、冬の代表作といえばやっぱりこれ!
教科書で読んだ人も多いはず、年末近くに読みたくなる作品です。
おじいさんが売れなかった笠をお地蔵様にかぶせ、最後のお地蔵様には自分の笠をかぶせ。
そして夜に、お地蔵様がおじいさんとおばあさんの家に来て恩返しをするおなじみの昔話。
『ももたろう』『スーホの白い馬』で有名な赤羽末吉の画が、昔の日本の冬景色を見事に描写しています。
『がらがらどん』等多くの翻訳でも有名なせたていじの文章も、読みやすく雰囲気のある語り口です。
『はなさかじい』
(松谷みよ子作、瀬川康男絵、フレーベル館)
え、花さか爺さん?春の話じゃないの??と思われる皆様。
違います!春だったら、わざわざ灰をまかなくても桜は咲いているはず。
そもそも「枯れ木に花を咲かせましょう」なので、本当は冬のお話なんですよ。
松谷みよ子、瀬川康男といえば、赤ちゃん絵本『いないいないばあ』のゴールデンコンビ。
犬とおじいさんの出会いから描かれる、重厚なストーリーで小学生にもオススメ。
桜が満開に咲くシーンは圧巻です!
まとめ
いかがでしたか、冬の絵本の中でも特に傑作といわれる作品を紹介してみました。
ですからどこの図書館にも、少なからず置いてあると思います。
全体的に落ち着いた画風の作品が多いので、子供は自分から手に取らないかもしれません。
だからこそ、読み聞かせでじっくり良さを味わってほしいと考えています。
長い作品も多いので、子供に合うか必ず一度内容に目を通して確かめてくださいね。
大人もほっこりする、すてきなおはなし会になりますように。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございます。
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