雪だるま作りにそりすべり・・・

寒い冬でも、子どもって外遊びに夢中になっちゃいますよね。

外遊びに疲れたら、暖かい家の中で絵本を読むのも良いですよ。

今回は、ハートもぽかぽかになる5歳児におすすめの冬らしい絵本を紹介します。

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やっぱりはずせない名作絵本

『おおきなかぶ』

再話:トルストイ
絵:佐藤 忠良
訳:内田 莉沙子
出版社:福音館書店

「うんとこしょ どっこいしょ」のフレーズでおなじみの、
有名なロシア民話です!

おじいさんが植えたかぶは、とてつもなく立派に育ちます。

おじいさんが抜こうとしても抜けません。

おじいさんはおばあさんを呼んできて、一緒にかぶをひっぱります。

ところが、かぶは抜けません。

おばあさんが孫を呼んできて、孫は犬を呼んできて、
犬は猫を呼んできて、猫はねずみを呼んできて・・・。

小さな子どもでも楽しめる、わかりやすい繰り返しのお話です。

「うんとこしょ!どっこいしょ!」の掛け声は、ぜひ大合唱しましょう。

ロシア民話の翻訳の大家である内田莉沙子の訳は読みやすく、
佐藤忠良の素朴でダイナミックな絵も、とにかく印象的です。

『ゆきむすめ』

作:岸田 衿子
絵:スズキ コージ
出版社:ビリケン出版

ロシアの民話からもうひとつ。

こちらはちょっとせつない、美しい名作です。

子どものいないおじいさんとおばあさんがつくった、美しい女の子。

しかし、お祭りでたき火をとびこしたとき、溶けて消えてしまいます。

描かれる景色が美しく、繊細なストーリーでしんみりします。

スズキコージの絵が独特で、好き嫌いがあるかもしれません。

でも、吸い込まれそうなゆきむすめの瞳はインパクト大!

ちなみに『おおきなかぶ』の内田・佐藤コンビによる『ゆきむすめ』の絵本も、
福音館書店から出ています。

『ゆきおんな』

作: 松谷 みよ子
絵: 朝倉 摂
出版社: ポプラ社

日本の冬の民話で名作といえば、なんといってもこれ!

『ゆきむすめ』と同じで、最後の別れがせつないです。

しかしホラー要素もあって、『ゆきむすめ』とは違った余韻が残りますよ。

ふぶきの夜に泊まった山小屋で、みの吉はゆきおんなに会います。

つめたい息で人を凍りつかせるゆきおんなですが、
まだ若いからと、みの吉を見逃します。

ただし、今夜のことは誰にも言ってはいけないと言って・・・。

やがてみの吉は雪のように美しい女と結婚します。

幸せな日々が続きますが、
彼女を見ると思い出すのは、あの雪山で会ったゆきおんなのことでした。

こわいという感想が出てこない子もいるかもしれませんが、
厳しくも美しい日本の冬のありようがひしひし伝わると思います。

きっと忘れられない一冊になりますよ。

『マッチうりの少女』

作: アンデルセン
絵・訳: いもと ようこ
出版社: 金の星社

いもとようこの世界の名作絵本シリーズより。

『マッチうりの少女』は、誰もがよく知るアンデルセンの名作ですね。

雪が降る大みそかの夜、貧しい少女がマッチを売って歩いていました。

でも、マッチは1本も売れません。

寒さに凍えながら少女がマッチを1本すってみると、あたたかい火が見えました。

2本、3本と、マッチをするたびに見える幸せな幻・・・

そして最後には、天国のおばあさんの姿が見えました。

翌朝少女の身に起きた悲劇はとてもつらいのですが、
いもとようこの絵がほんわかとして可愛いので、心があたたまります。

 

 

寒さも吹き飛ぶ!笑える絵本

『おふろだいすき』

作: 松岡 享子
絵: 林 明子
出版社: 福音館書店

寒い冬には、やっぱりホカホカのお風呂!

たくさん動物が出てくるこの絵本は、
ダイナミックで楽しいお風呂の絵本の代表作です。

主人公の男の子、まこちゃんもお風呂が大好きです。

まこちゃんがいつものように、あひるのおもちゃ・プッカと一緒にお風呂に入ったら、
お風呂の底から大きなカメが浮いてきました!

続いてペンギン兄弟、無口なあしか、きれいずきのかばも登場。

最後はなんとクジラまで!
(この家のお風呂、どれだけ広いのかなんて言うのは野暮です)

みんなで体を洗って、肩までつかって50数えます。

よくあるお風呂の風景が、こんなにも楽しそうだなんて!

おかあさんが顔を出したとたんに動物たちがいなくなってしまうのも、お約束。

バスタオルにくるまって笑顔を見せるまこちゃんに、
ついこちらも笑顔になってしまうことうけあいです。

『ぶかぶかティッチ』

作・絵: パット・ハッチンス
訳: いしい ももこ
出版社: 福音館書店

3人きょうだいの末っ子、ティッチのおはなし。

前作『ティッチ』も名作ですが、これも微笑ましい作品です。

ティッチの服は、いつもおさがりばかり。

お兄さんにもらったズボンも、お姉さんからもらったセーターも、常にぶかぶか。

大きすぎて合わない服を着るティッチの微妙な表情といったら!

でもある日、お母さんに赤ちゃんが生まれます。

お兄さんになったティッチが、赤ちゃんに言ったことばとは?

自分が末っ子でなくても共感できてしまうのが、物語の不思議なところです。

前のページに戻ると、お母さんのお腹が大きいのがわかりますよ。

もう一度見返してみましょう!

『なんのいろ ふゆ』

作: ビーゲン・セン
絵: 永井郁子
出版社: 絵本塾出版

ピンクいろとしろいいろ、組み合わせるとなんのいろ?

しろいいろとあかいいろ、組み合わせるとなんのいろ?

ページをめくると答えが出てくる、頭の体操にもなるビジュアルブックです。

あてっこしながら、楽しく読みましょう。

作者は外国人?と思いきや、出てくる風物は日本のもの(鏡餅とか)。

ですから、みんな日常的に見覚えのあるものばかりです。

ちなみに絵を手がけた永井郁子は、
親世代には懐かしい『わかったさん』シリーズの画家です。

キュートでポップなシルエットはそれか!と思いました。

『なんのいろ』シリーズは春夏秋冬そろっています。

『みつけよう!』『なんのにおい』『なんのおと』も同じ。
季節に合わせて読んであげてくださいね。

『このゆきだるま だーれ?』

作: 岸田 衿子
絵: 山脇 百合子
出版社: 福音館書店

『ぐりとぐら』と同じ挿絵で、可愛く描かれる冬の森。

「ととと」「だーれ、だーれ」など、
文章のテンポもよくて、読みやすい作品です。

そり遊びが好きな女の子・もみちゃん、
動物たちと一緒にすべっていたはずなのに、いつのまにかみんながいない?

ところが雪山を下りた先に、雪だるまがたくさん。

さて、だれがどの雪だるまになったのでしょうか?

おはなし会で盛り上がる、あてっこもできる絵本です。

読み終わった後で、雪だるまを作りたくなっちゃうかも?

 

 

可愛いキャラクターに癒されよう!

『うちにかえったガラゴ』

作・絵: 島田 ゆか
出版社: 文溪堂

『バムとケロ』シリーズで有名な島田ゆかのシリーズ作品。

『バムとケロ』ともリンクしてるので、ファンなら両方読むべきです!

旅するかばん屋さんのガラゴが、冬が近づいたために店じまいします。

うちに帰って熱いお風呂にはいろうと、準備していたところに玄関をノックする音が。
いったい誰が来たのでしょう?

とらちゃん、こみみさんなど、キャラクターが可愛い!

家のインテリアも、お風呂の小物も凝っていて、すみずみまで見てしまいます。

ごちそうのカレーがまた美味しそうです。

遊び心満載のこの家に、誰もが遊びに行きたい!と思うことでしょう。

『ゆきのひのころわん』

作: 間所 ひさこ
絵: 黒井 健
出版社: ひさかたチャイルド

ちょんと座っているだけで可愛い、子犬のころわん。

ころころして、名前にピッタリの見た目です。

『あめのひのころわん』など、これもシリーズものです。

雪が降った日、外に出たころわんは自分の足跡が面白くてしかたありません。

そんなとき、雪の中で赤い手袋を見つけました。

持ち主は誰なのか、ころわんはさっそく出かけます。

ころわんの優しさ、時々垣間見せる賢さに、大人も和みます。

手袋はいったい誰のものなのか、子どもと一緒に探してみましょう。

『14ひきのさむいふゆ』

作・絵: いわむら かずお
出版社: 童心社

美しい自然の描写をぜひ子どもに味わってほしい、『14ひき』シリーズ。

外は雪なのに、ほんわかとあたたかい14ひき一家がもう最高です。

雪にうもれた森の中、子どものねずみたちは部屋の中でゲームをしています。

一方おじいさんは、木でそり作り。

おばあさんは、ほかほかのおまんじゅう作り。

あかあかと燃える暖炉を背に、ねずみたちの日常が描かれてます。

短くてテンポのいい文章に、じっくり楽しめる細かい絵。

何度読んでも、新しい発見があるので読み応えがあります。

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、
14ひきそれぞれの動きを追ってみてください。

『まゆとりゅう』

作: 富安 陽子
絵: 降矢 なな
出版社: 福音館書店

『まゆとおに』でファンになる人が多い、
やまんばの娘・まゆのシリーズ第2弾。

冬ももう終わる頃、春を迎える物語になっています。

天真爛漫で怪力なまゆと、スマートなのにさらにパワフルなやまんば母さん。

二人が龍の背に乗って、春一番の雨を降らせます。

激しい雨で積もった雪が溶け、雪解け水は川になって力強く流れていきます。

圧倒的にダイナミックな山の風景とあいまって、
まゆたちの活躍がカッコいいです。

春を迎える準備が、こんなにも荒々しいなんてなんだか新鮮ですね。

子どもの龍とまゆのコンビが可愛くて好きです。

やまんばの龍たちへのおもてなしも、羨ましいくらいステキでした。

まとめ

いかがでしたか、寒く厳しい冬のなかにも明るく懐の深い雰囲気を感じさせる本を選びました。

子どもたちが喜んでくれますように。

そして、読んであげた大人の皆さんの心もあたたかくなりますように。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございます。

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