仕事でうまく立ち回れない、恋もうまくいかない、友達はあんなにできるのに……。

そんなふうに悩んでいる大人のあなたへ。

自己啓発本を読むのもいいけれど、児童文学も手にとってはどうでしょうか!

子ども向けの本は文章も簡潔でテーマもハッキリしていて、
読んだ後になんともいえない心地よさが残ります。

あなたにとって何か大切なものを思い出させてくれるかもしれないオススメを紹介します。

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難しいこと考えず、スカッとしたい!

『ぼくらの七日間戦争』
(宗田理、角川書店)

言わずと知れた、昭和の名作です。宮沢りえ主演で映画化もされています。

背景こそ時代を感じるものの、これが今の小中学生も愛読するロングセラーなんです!

主人公の菊地英治は、東京下町の中学1年。

抑圧的な親や教師に反抗して、友人たちと荒川河川敷の廃工場を「解放区」として立てこもりを実行!

外にいる女子生徒たちとFMラジオで状況を通信したり、合流前に誘拐された仲間を助けたり、
突入してきた教師にホームアローン顔負けのいたずらで応戦したりと、
ドキドキワクワクする展開が盛りだくさんな作品。

大人の立場になってしまった今でも、楽しめること間違いなしです!

『ルドルフとスノーホワイト』
(斎藤洋、講談社)

アラフォー・アラサー世代なら、毒蝮三太夫の語りによる「テレビ絵本」を思い出すかもしれない、
児童文学の傑作『ルドルフとイッパイアッテナ』。

『ルドルフともだちひとりだち』『ルドルフといくねこくるねこ』に続くシリーズ新刊です。

今回は仔猫の父親になったブッチーが、新中川地区でトラブルを起こして大怪我を負って帰還したため、
ルドルフがその地区の女ボス、スノーホワイトに会いに行きます。

後半は、ブッチーの別の仔猫をさがしに、ルドルフとスノーホワイトが横浜に行きます。

普段温厚なのに、いざとなると「悪魔でも思いつかないような計略」をかますルドルフ、かっこいい!

逆に、普段は姉御肌なのに時々乙女な発言をするスノーホワイトも可愛いです。

子どもの頃に読んだキャラクターたちの成長ぶりに、ちょっとうれしくなりますよ。

『トレジャー・キャッスル』
(菊池秀行、講談社)

子どものためのシリーズ「ミステリーランド」の一作品。

中三(とは思えない)ケンカの達人「オレ」は、SM城址に追いつめられて武器庫に逃げ込みます。

そこにはイケメン同級生・丹野、文学少年の能登、おしゃまな美少女・冬美がいて、
城に眠るお宝をさがしていました。

オレもなりゆきで加わるものの、何者かに襲われ、怪物も出現!

からくりがあったり、大蛇が出たり、とにかくメチャクチャで突っ込みどころ満載の冒険ストーリー。

作者は『吸血鬼ハンターD』等のおどろおどろしいバイオレンス作品で定評がありますが、
これは子ども向けに表現がソフトになっているので、初心者でも安心です。

アクションシーンはさすがカッコいいです!実は最強な「淑子ばあちゃん」にご注目ください。

『怪盗グリフィン、危機一髪』
(法月綸太郎、講談社)

これもミステリーランドの一作品。

ただし大人主人公なので、とにかく本格的で、伏線もどんでん返しも多い、スリリングな冒険活劇です。

オストアンデル(饅頭か大福?)、ザリガニスキー、オリ・ハベリ等、登場人物の名前も笑えます。

「あるべきものを、あるべき場所に」がモットーの怪盗グリフィンに、
NYのメトロポリタン美術館にあるゴッホの自画像を盗んでほしいという依頼が入るが、その絵は偽物!?

さらに今度はCIAの依頼で、調査員アグネスとともにカリブ海へ飛ぶことに。

指令はパストラミ将軍所有の人形の奪取。その依頼の真意とは?

痛快な展開に、日常を忘れて一気読みできます。

ラストシーンもすてきで、続編も大人向けに出ています。

 

ほんの少し、勇気がほしい

『西の魔女が死んだ』
(梨木果歩、新潮文庫)

中学入学後まもなく、不登校になった少女まい。

しばらくの間、「西の魔女」と呼ばれる母方の祖母(イギリス人)のもとで魔女修行をすることに。

規則正しい生活、手作りのジャム、自然とのふれあい、お気に入りの場所を作るなど、
いろいろある修行の中で、最も肝心なことは「なんでも自分で決めること」でした……。

その後、祖母の知り合いの「ゲンジさん」のことで、わだかまりができた二人。

確執を残したまま、まいは両親のもとに帰りますが、祖母の死の知らせを受けて戻ります。

そこには生前の約束の痕跡が……。

まいと一緒に号泣してしまう、心温まる一冊です。

『ねこまたのおばばと物の怪たち』
(香月日輪、角川文庫)

小学5年生の舞子は、学校ではいじめっ子3人組にいじめられ、
家では生まれたばかりの弟にかかりきりの継母になじめず、どこにも居場所がない状態。

ある日舞子は、幽霊が出るというイラズ神社に一人で行かされるはめに。

ところが鳥居の先にいたのは、個性的な物の怪たちと、その大元締である「ねこまたのおばば」でした。

『西の魔女』同様、繊細な少女が懐の大きなおばあさんとの交流を通して、
生きる力を身につける成長物語ですが、こちらは明るく元気で爽快なノリが魅力です。

ごはんをたくさん食べ、裁縫や料理を覚え、苦手な水泳も克服する、羨ましいほどのスローライフ。

でも大人の立場になると継母や父親の気持ちもわかるし、いろいろな意味でぐっと来ます。

『さすらい猫ノアの伝説』
(重松清、講談社)

『流星ワゴン』『きよしこ』等、大人向けの作品が有名な重松清の児童文学。

ストレートかつシンプルに、勇気の大切さを伝えてくれます。

新学期、5年1組の健太の前に現れた首に風呂敷を巻いた黒猫ノア。

「あなたのクラスはノアに選ばれました」

「ノアはきっと、あなたのクラスが忘れてしまった大切なことを思い出させてくれるはずです」

という手紙を読んだ健太と親友の亮平、凛々(リリー)・・・いったい何が起こる?

担任が骨折で入院、代理の副校長は厳しくて、見つかった代理の若い女先生は気弱でなめられっぱなし。

学級崩壊寸前のクラスをどう変えるのか?暗躍するノア、いろいろGJです!

亮平を追いつめるジャイアンタイプのサッカー部男子や、
クラスのボス的女子の強引な言動も生々しいですが、

揺れる心のうちが丁寧に描かれていて途中は爽快、最後はほのぼのします。

 

 

苦手な人と、どうつきあう?

『カラフル』
(森絵都、理論社)

「おめでとうございます! 抽選にあたりました! 」

生前の罪によって、輪廻のサイクルからはずされた「ぼく」の魂。

テキトー天使のプラプラに導かれ、自殺を図った中三の少年「小林真」の体にホームステイしたぼくは、
自分の罪を思い出すために生き直すことになります。

しかし、真の父親は自己中、母親は不倫中、兄は意地悪で、唯一学校で親しい女子は援助交際中……。

そりゃ死にたくもなるという状況にぼくは頭を抱えますが、真の視点を通して生きるうち、
少しずつ家族やクラスメイトとの距離は変わっていきます。

結局ぼくの罪とは何なのか?

読みやすく、大人も心地よく読める名作青春小説です。

アニメ映画化もされています。

『魔女の宅急便その3 キキともう一人の魔女』
(角野栄子、福音館書店)

キキがコリコの町に住んで4年目の春。16歳になったキキのもとに現れたのは、12歳の新人魔女ケケ。

急に転がり込んできた彼女にふりまわされるキキですが、そもそも魔女はひとつの町に一人という決まり。

自分にはないものを持っている後輩が、ふしぎな魅力で周囲になじんでいく。

自分の慣れ親しんだ場所や周囲の人々との良好な関係など、今まで築いてきた大事なものを奪われる。

そんな不安で自分を見失い、苦しむキキ。あなたにも経験はありませんか?

魔女の宅急便といえばジブリ映画が有名ですが、
原作は内容が濃く、結婚して子どもができてその子が成長するまでが描かれる一代記になっています。

明るく前向きだったキキが、悩みながら少しずつ大人になっていく物語は今だからこそ響きます!

『霧のむこうのふしぎな町』
(柏葉幸子、講談社)

読んだことがある人も多いかもしれない、夏になると読みたくなる名作。

6年生のリナは、父親のすすめで、柄にピエロの顔がついた傘に導かれ、
外国のような町「霧の谷」に、夏休みの間滞在することに。

ところが下宿先の「ピコット屋敷」の女主人・ピコットばあさんは、歯に衣着せない毒舌家。

しかも「働かざる者、食うべからず」が信条。働いたことのないリナは、いきなり途方に暮れますが……。

美しい街並みの情景、ピコット屋敷や通りの店にいる不思議な人々がとにかく魅力的。

オムニバスなので、忙しくても少しずつ読めます。

和製ファンタジーの世界を堪能しながら、リナと一緒に自分自身を見直したいですね。

この物語は、『千と千尋の神隠し』の元にもなった作品です(確かに仕事してないと居場所ない世界でしたね)

まとめ

いかがでしたか、気になる本があったら図書館などで借りて、夜や週末に一気読みしちゃいましょう!

本は一生裏切らない、いざというとき背を押してくれる大事な親友です。

あなたの辛い気持ちが、少しでも軽くなるよう私も祈っています。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございます。

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